過失割合が20:80の物損事故がありました。これだけ聞くと、賠償額は過失割合が80のほうが多いと思われる方がほとんどだと思います。しかし、この過失割合というのは、あくまでも発生した損害に対する割合なのです。
例えば、市場価値が10万円程度のA車と、新車で1,000万円で購入したての輸入車のB車の事故がありました。A車の過失が20%、B車の過失が80%となりました。A車は市場価格が10万で修理した場合50万円かかりますが修理費用が車の価格を大きく上回る損害のため認定される損害額は10万円(経済的全損)のためB車側からは、その80%である8万円が支払われます。一方で新車のB車は修理に500万円かかりますが、市場の価値は1,000万する車両のため認定される損害額は修理費の500万円となり、A車側はその20%である100万円を負担しなければならなくなってしまいます。
このようなケースの場合、過失割合の小さいA車の方が賠償額が大きくなるという逆転現象が発生してしまうわけなのです。
全損についてはあらためてお知らせしますね。
「過失割合が低い=賠償額が少ない」わけではありません!タカハシ事務所